指導者こそレッスンへ行こう!

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2018/02/22
指導者を導く指導者

ピアノ指導者の継続的な指導力研鑽を目的とした指導者ライセンス。取り組むうえで効果的なのが、「指導者について学ぶ」ことです。普段とは違う、教わる側の立場だからこそ得られる気づきがそこにはあります。「指導者ライセンスの受検」をきっかけに、他の先生の指導を受けて自分の世界を広げてみませんか。

指導者が指導者に習うということ
渡部由記子先生
渡部由記子先生 東京芸大ピアノ科卒、元洗足学園大助教授、当協会評議員、指導者育成委員会委員、日比谷ゆめステーション代表

私のレッスンにいらっしゃる先生は、皆さま熱心ですが、コンクール等で生徒さんにいい結果を取らせてあげられない、生徒さんを伸ばしてあげられないと悩んでいる方が多くいらっしゃいます。そのような方にまずお勧めするのが、生徒さんと一緒にレッスンに来ていただくことです。私から生徒さんへのレッスンを見学することで、指導法を効果的に学んでいただくことができます。また遠方などで生徒さんがレッスンに来られない場合は、指導者ご自身の演奏をレッスンさせていただくこともあります。レッスンで取り上げる曲は、生徒さんがコンクールで演奏する曲や、発表会で弾く曲など様々です。演奏力向上に加え、ご自身が生徒さんの立場になる経験が、指導力の向上につながります。

コンクールを一つの目標としている場合には、指導のコツや選曲方法、スケジュール管理なども、同時に指導いたします。レッスンに一緒にいらっしゃる生徒さんが上達するのは当然のこと、同じお教室の他の生徒さんたちにも、私のレッスンでお伝えした指導法や演奏法が波及し、コンクールで良い結果を得られる方が増えたというお話しをよく伺います。

指導に悩みを抱えている先生には、指導者ライセンスをお勧めしています。どなたでも受検でき、指導法や理論を学ぶ良い機会となります。さらに受検の過程では、会場やセミナーで意識の高い先生方と交流することで、良い刺激を受けられます。そして全級合格することで、指導に自信が持てるようになり、見違えるように変わっていった方を多く拝見してきました。その後、ピティナ・ピアノコンペティションで指導者賞を受賞する方も数多くいらっしゃいます。すると、そのお教室に入りたいと、高い志を持った生徒さんが集まりやすくなるという循環が生まれ、教室がますます活性化するようになります。 ピアノ指導は、音楽を通じて生徒さんの「人間力」を育むことができる、とてもやりがいのある、楽しい仕事です。ご一緒に歩んでまいりましょう。

ピアノ指導者がもっていたい 5つの資質
1.信念
まずは、指導者がゆらぎない信念を持っていることが大切です。私は、どんな生徒さんであっても、たとえ前年までコンクールで予選落ちしか経験したことのない方であっても、「この生徒さんは、コンペティションで金賞を取る方だ!」と信じて、指導します。(そして、実際に前年まで予選落ちだった生徒さんが金賞を受賞することも、少なくありません。)ピアノ指導者を指導する場合でも、「音大を出ていないし、指導者ライセンスなんて雲の上のような存在で、自分には縁がありません」と仰る方でも、私は「絶対に受かる」という信念をもって、指導します。生徒さんの力を心の底から信じることが、生徒さんの可能性を無限に引き出す秘訣です。
2.プラス思考
「この生徒さんは、この程度の実力しか無いから、結果もこの程度だろう」と勝手に線引きをしてしまうと、ほとんどの場合、その通りになります。指導者の勝手な線引きは、指導法から雰囲気まで、あらゆる方面から生徒さんに伝わります。指導者、生徒さんともに、そのことを明確に意識していなくても、無意識のレベルでは通じています。これではむしろ、生徒さんの「人間力」を弱めることになってしまいます。「できる!」というプラスのイメージを持つこと、さらに言葉や態度で生徒さんに伝えることは、計り知れないほどの良い影響をもたらします。
3.決断力
懸命に指導しているにもかかわらず、生徒さんの反応が鈍くて成果が見られない時、ついイライラした経験はありませんか?そのような時、「自分に何が足りてないか」を考えましょう。どのような言葉で伝えたら、理解してもらえるのか?ご自身の指導法を改善していく良いチャンスだと考え、忍耐づよく指導を続けましょう。また、継続することも大切です。遠くの大きな目標を見て圧倒されるのではなく、目の前にある課題を一つずつクリアし着実に前進することが、目標達成への最大の近道です。
4.忍耐力
「忍耐力・継続力」は不可欠ですが、それだけでは目標達成には足りません。「絶対に○○する!」という熱い思いが必要です。
5.熱意
指導者ライセンスの受検をお勧めしたり、コンペティションへの参加をお勧めすると、「私など、とても、、、」と尻込みなさったり、色々と悩み検討なさる方と、すぐに「やってみます!」という方がいらっしゃいます。この違いが、決断力の有無、即決力の有無です。

では、即決できるのは、どんな時でしょうか?それは、自分が何を望んでいるかを、明確に分かっている時です。指導者としては、信頼して下さっている生徒さんのために、実力を磨き、向上させることが、望みとなるはずです。そこで指導者としては、学ぶ機会が現れたら、尻込みしたり、あれやこれやと考え悩むよりも、即断即決で積極的にチャンスをつかんでいきましょう。

指導者ライセンス全級合格者の声

渡部由記子先生が代表をつとめる、日比谷ゆめステーションの指導者ライセンス全級合格者に聞きました!

指導者になってから自身がレッスンに行くことで得られることは何ですか?
  • 教わることで謙虚になれ、生徒の気持ちもわかるようになった
  • 褒められる嬉しさを初めて知り、生徒の良いところを見つけるようになった。すると生徒もやる気が出てどんどん伸びるようになった
  • 生徒に対して「どうせこの程度かな?」などと線引きをしない考え方に変わった
渡部先生のレッスンについて、指導者の先生が成長したエピソード
  • 個性を尊重し、最良のものを引き出そうと励ましてくださるので、学び続ける喜びと勇気がわきました
  • 指導者ライセンスの取得を粘り強く進めてもらい、背中を押されたことで、今まで思ってもいなかったことにも挑戦する勇気が生まれました
● 指導者インタビュー
人生を変えたピアノ指導の「師」との出会い
大神 薫先生2011年指導者ライセンス全級合格、名古屋中央MIRAIステーション代表
大神 薫先生
◆渡部由記子先生との出会いと指導者ライセンス

渡部由記子先生との出会いは、今から11年前(2007年)に、地元名古屋のセミナーでの講演内容にとても感銘を受け、「この先生のお話をもっと聞いてみたい」と直接電話をして、大阪で体験レッスンをしていただいたことに始まります。

当時、私はピアノ指導に自信がなく「こんな私が指導していて申し訳ない」と生徒に対して思っていました。また音大の出身でないコンプレックスからか「指導力=演奏力」と思い込んでいたところもあり、自分の演奏にばかり目がいき、それが指導力に結びつくこともありませんでした。渡部先生の初回のレッスンでそんな悩みを打ち明けたところ、指導者ライセンス(当時は指導者検定)を勧められました。あまりにハードルが高いのではないかと思いましたが、「必ず力になるから」との力強いお言葉に、受検を始めました。

それからは2ヵ月に1度くらい、渡部由記子先生のご自宅でのレッスンに通う日々が始まりました。レッスンは演奏の指導が主ですが、その言葉がけや、理論だった説明が素晴らしく、自分の中にたくさんの知識が蓄積されていきました。初見演奏が苦手だと相談したところ、秋山徹也先生をご紹介いただき、秋山先生からアナリーゼの方法を学べたことや、試験対策にとにかくたくさんの曲を聴き、時代やスタイルを体系的に学べたことも非常にいい経験となりました。

◆合格後の歩み

2011年に全級合格を無事取得し、その頃には以前の自分とはまるで変わっていました。指導に根拠と自信がもてるようになり、そんな私自身の変化を感じ取ってか、生徒も変わりはじめ、少しずつコンペティションの予選を通過するようになってきたのです。それが周りの生徒に影響を与えたり、WEBページからお問い合わせをいただくことが増え、渡部先生と出会った時には15人程度だった生徒が、現在不定期含め56名にまでなりました。

指導者ライセンスの受検が終わった後も、3ヶ月に1度程度は渡部先生のレッスンに通っています。日比谷ゆめステーションの運営に携わり、多くの先生とお知り合いになり、そこでの経験もあって自らのステーションを3年前(2015年)に設立したところです。これからは地元でも交流の輪を広げていきたいです。

◆ピアノの学習はピアノだけで終わらない

渡部先生には、ピアノの学習というのは子どもに成功体験やステージにのぼる強さ、失敗からの立ち直り方など、一人の人間として自立し、生きる術を学ばせることであることも学びました。その通りにたくましく、まっすぐに成長している生徒たちと共に、これからもピアノ指導に邁進していきます。

みんなとだから学びが深まる、広がる
―ライセンス対策勉強会レポート

個人的に先生に師事するだけでなく、各地で行われる勉強会に参加することも指導力の向上につながります。ここでは、2月12日におこなわれたまちだtriangleステーションの指導者ライセンス対策勉強会の様子をご紹介します。


小春日和の2月12日、まちだtriangleステーション代表の中澤朋子先生のご自宅教室にて、指導者ライセンス試験の対策勉強会が行われました。 2週間後に行われる東京冬期地区を受検予定の方や、今回初めて勉強会に参加する方など、4人の先生が集いました。この日は指導実技試験対策として、指導の実演とディスカッションを実施。中澤先生の生徒さん6名がモデル生徒役となり、実際の試験時間に合わせて予行演習を繰り返しました。ディスカッションタイムでは、反省点や良かった点を共有したり、生徒の年齢に合わせた言葉の選び方を模索したりと、白熱の議論が展開される実践的な学びの場となりました。 この勉強会は、東京での試験開催に合わせて定期的に開催されており、次回5月にも実施予定です。
<お問い合わせ先:まちだtriangleステーション

参加者の声
  • 一人だと試験に向けてどのような準備をしたらいいかわからないですが、勉強会に参加することで取り組み方が分かるようになります。
  • 「モデル生徒さんも緊張しているから、それをほぐす声掛けをするといいですよ」というアドバイスが印象的でした。私自身が緊張してしまい、生徒さんを気遣うことに意識が向いていなかったので、中澤先生ならではのご指摘だと思いました。
  • 語彙が増えるのが魅力だと思います。1つの課題に対しても多様なアプローチがあり、更にそれが生徒の年齢やコンディションに合っているか等、様々な発見があります。ずっと勉強ですね。資格が取れたあとも勉強会は続けさせて欲しいです。
  • お誘いくださった中澤先生のお人柄と、当日いらした先生方の真摯なお姿を拝見し、とても励みになりました。
● 指導者インタビュー
中澤朋子先生 2013年指導者ライセンス全級合格、まちだtriangleステーション代表。
中澤朋子先生

勉強会をはじめたのは2008年、自分がまだ筆記試験受験中の頃でした。一人で勉強していても広がりが足りないと思ったんです。特に指導法については、一人一人異なる生徒の個性に対応できるだけの引き出しの多さが重要です。引き出しを増やす方法として、誰かとともに学ぶことはとても効果がありますね。複数の人が知恵を持ち寄ることで、一人ではたどり着けないような新たなアイデアに出会えます。今回参加した先生方も、それぞれ違った魅力的なアプローチをされていて、私自身たくさんの気づきをいただきました。

この勉強会は、一方的に私が教えるのではなく、多様な視点を集めてお互いに補い合う場だと考えています。人生において100%完璧な状態というのはありえなくて、常に今より良い状態を追い求めていくものだと思います。一人では困難な追求の過程も、仲間とならば楽しみながら取り組んでいけるはずです。

ライセンス合格者を指導された先生一覧

今までに指導者ライセンス各課程合格者のご指導にあたってこられた先生方をご紹介いたします。指導者ライセンス受検についてはもちろん、ご自身の指導力向上のために自身の指導者を持ち、指導の幅を広げてみましょう。

予告2018年度秋期試験より新たに「指導者割引」が始まります

次の秋期試験より新たに、指導者ライセンスでも指導者割引を導入いたします。秋の試験に向けて、今から指導者について試験の準備を始めませんか?ピティナでは、指導者が学び続けることを応援しています。ライセンス受検のお申込時にはぜひ、指導者登録をお願いします。

◆2018年秋期~ 指導者ライセンス料金表(予定)
支払区分 初級 中級 上級
指導実技
本人が一般 ¥13,000 ¥14,000 ¥15,000
本人がピティナ会員 ¥11,000 ¥12,000 ¥13,000
本人も指導者もピティナ会員 ¥9,000 ¥10,000 ¥11,000
本人が学生のピティナ会員 ¥9,000 ¥10,000 ¥11,000
演奏実技
本人が一般 ¥14,000 ¥15,000 ¥16,000
本人がピティナ会員 ¥12,000 ¥13,000 ¥14,000
本人も指導者もピティナ会員 ¥10,000 ¥11,000 ¥12,000
本人が学生のピティナ会員 ¥10,000 ¥11,000 ¥12,000
筆記試験
本人が一般 ¥5,500
本人がピティナ会員 ¥4,500
本人も指導者もピティナ会員 ¥3,500
本人が学生のピティナ会員 ¥3,500
レポート
本人が一般 ¥3,000 ¥3,000 ¥3,000
本人がピティナ会員 ¥2,000 ¥2,000 ¥2,000
本人も指導者もピティナ会員 ¥1,500 ¥1,500 ¥1,500
本人が学生のピティナ会員 ¥1,500 ¥1,500 ¥1,500

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