課題曲で高める指導力

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2018/02/01
指導者が学ぶコンクール

いよいよ、2018年度ピティナ・ピアノコンペティションの課題曲の発表まで1ヶ月となりました。参加者と指導者の先生方が共に学ぶ場となるために、当協会では様々なイベントを用意しておりますので、ご自身に合った方法で指導力の研鑽を続けてください。

課題曲セミナー

毎年各地で開催されている課題曲セミナー。コンペティションにご参加を検討の親御さん、生徒の出場を検討されている指導者にとっては、課題曲を知る機会となっていますがもちろん、ご参加されない方も受講が可能です。課題曲を知る、だけではない、課題曲セミナーならではのポイントはどういったところにあるのでしょうか。

◆ 音を浴びるセミナー

課題曲セミナーの講師はプロピアニストが多く、また会場もホールのように大きくない会場が多いため、間近でプロピアニストの演奏を聴くことができます。それこそ、肌に音を感じるほどです。また、曲想もそれぞれ異なるため、いろんな音色を聴くことができます。生徒と共に耳を鍛える絶好のチャンスです。ぜひ、終わった後に、どの曲ではどんな音色だったか、生徒の感想を聞いてみてください。色やかたち、風景など子どもの表現の豊かさに先生ご自身が驚かれるかもしれません。触れば誰でも音が出るピアノという楽器、けれど奏者によって様々に音色が変わること、それこそがピアノ演奏の楽しさ、奥深さだと感じられると思います。

◆ 四期の作品の違いを感じる

現在の音楽、例えばJ-POPにも流行のスタイルがあるように、時代によって作品の特徴も様々です。ピティナ・ピアノコンペティションの課題曲は、それぞれの時代の特徴が表れている作品を選んでいます。課題曲セミナーに参加いただくことで、それぞれの時代の特徴をまとめて聴くことができます。生徒に様々な時代の作品を聴かせてみることで、それぞれの時代で好みの作品が見つかるかもしれません。今までとは違う作品に挑戦する機会としてみませんか。

◆ その年齢、曲で学ぶことを知る

ピティナ・ピアノコンペティションは、ピアノ学習の意欲を高めるという側面もありますが、指導力の研鑽を目的としています。そのため、その年齢で無理なく学べるポイントがたくさん詰まっている曲をできるだけ選ぶようにしています。年齢によっては、ペダルも届かないため、ペダルを使わなくても美しい曲であったり、手の大きさを考慮して、オクターブなどが極力ない曲も選ばれています。ピアノを習い始めた年齢もあるかもしれませんが、だいたいこの年齢でこういったことを学べるのか、ということの参考になるのではないでしょうか。

課題曲セミナー講師として、各地をまわっていらっしゃる金子恵先生、赤松林太郎先生、関本昌平先生に課題曲セミナーについて、お話しをお伺いしてみました。

課題曲セミナーとは講師自身にとってどんな場でしょうか。
指導者として見本が示せるようにもう一度初心に戻って勉強する良い機会です。そして受講して下さる指導者の方々、親御さん、参加するご本人の皆様と音楽を共有できる素晴らしい時間を楽しんでいます。(金子恵先生)
コンクールでより良い評価をもらうための秘訣をお伝えするというよりは、作品が本来持っている魅力を伝える場ですね。また、作品に対する畏敬の念と謙虚さを改めて感じる機会でもあります。(赤松林太郎先生)
自分がどう表現したいかをメイン(骨)にし、そこの肉付けとしてこんな方法もあるという1つのアイディアを提供する場として考えています。音楽の解釈は人それぞれで、それをどう説得力をもって演奏するかでその人の演奏の魅力が引き出されると思います。どう表現するかのヒントを是非、たくさん持って帰ってもらえればと思いながら演奏しています。(関本昌平先生)
受講者また、受講を迷われている方に向けてのメッセージをお願いします!
コンペ課題曲というと何か身構えてしまう傾向にありますね。しかしピアノの先生は1人で仕事をする事が多いですから外の情報や世の中の動きを感知することが難しい環境になってしまいます。習いに来てくれる子供達の為には指導者である自分がいつも新鮮でいること、そして音楽をすることの喜びを子供達に伝えてゆくことが教育者として大切です。
音楽には色々な考え方、感じ方があるという事を知る為にも、そして寛容で豊かな音楽生活を送れる為にも是非お出かけ下さると嬉しいです。(金子恵先生)
ご自身が課題曲セミナーの講師をする立場になったとして、どのような知識やアプローチが必要になるかを考えてみると、いつもとは違った気持ちで受講できるかもしれませんね。その作品がどのような背景で成立しているか? そのためにどのような記譜が施されているか? それを演奏する時に気をつけるべき点は何か?・・・など事前に考えを巡らせていただいてから講座にご参加いただけますと、よりご自身の学びが深まると思います。会場にてお会いできることを楽しみにしております。(赤松林太郎先生)
「課題曲セミナー」というとどうしても堅苦しいイメージになりがちですが、音楽や指導って楽しい!と感じていただけたらと思います。そのために、できるだけ子供たちにもわかりやすい例えを用いたり、先生方にもさっそくレッスンで使っていただけるような表現を心がけています。今年も各地で皆様にお会いできるのが楽しみです。先生方はもちろんですが実際にコンペを受ける親子さんにもぜひご来場いただき、少しでも自分の音楽の世界を広げていただけたら嬉しいです。(関本昌平先生)
◆ 各エリアの課題曲一覧情報はこちら ◆
レッスン見学

会員指導者の皆様に、ピティナのベテラン指導者の自宅レッスンを見学し、指導の実技を研修して頂く制度です。各講師のレッスン(2時間)を見学し、その後30分のディスカッションタイムを経て終了いたします。

2018年4月、5月はコンペティション指導に定評のある先生方に開催いただけることとなりました!実際の指導を見て、その後のディスカッションで他の指導者の方とお話しすることでより学びを深められることと思います。今回はその中から4名の先生方に、コンペまでのスケジュール、レッスン方法についておうかがいしました。

2018年度春期 レッスン見学講師インタビュー ~コンクールの活用方法~
木村 真由美先生(北海道岩見沢市)
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  • レッスン見学日:2018年05月20日 10:30~
  • 2017年度コンペティション指導歴:

    連弾初級A全国決勝大会にて銅賞受賞、F級全国決勝大会にてベスト賞受賞、2台ピアノ初級全国決勝にて第1位、A1級、C級、E級、F級、連弾初級A、連弾中級Bで本選優秀賞、A2級、C級、D級、F級にて本選奨励賞受賞。

コンペティションの時期に課題曲以外のレッスンもしますか?
5月の上旬までは、本番で演奏しない他の課題曲も全曲弾いたり、他のコンクールの曲も並行して練習、普段の教本(ハノン、ツェルニー、バッハインベンション、シンフォニアなど)もレッスンします。ただし、塾や部活などやっていて、時間のない方でもピアノを両立させ、コンペに挑戦する方に関しては、早い時期から課題曲だけになる方もいます。
課題曲はどのように選曲しますか?
課題曲の選曲については楽譜と照らし合わせて音源を聞いたり、弾いてみたりしながら、生徒さんによってはやってみてから、自分に合った曲でお気に入りのものをできるだけ選曲するようにしています。予選曲(本選曲)2曲のバランスも考え、似た傾向の曲にならないように考えます。
先生ご自身はどのようにコンペ課題曲や指導について学ばれていらっしゃいますでしょうか。
自分で調べたり、音源などを聞いたり、また、課題曲セミナーなど行ける時には行って勉強します。
長崎 正子先生(神奈川県横浜市)
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  • レッスン見学日:2018年05月13日 13:00~
  • 新横浜ステーション代表
  • 2017年度コンペティション指導歴:

    A2級入賞者記念コンサート出演。A1級本選優秀賞。B級、C級、連弾にて各本選奨励賞8名。

コンペティションの時期に課題曲以外のレッスンもしますか?
テクニック系のテキスト(バーナムやハノン等)と、理論系のテキスト(バスティンのセオリー等)は、コンペ課題曲と併行してレッスンしています。
課題曲はどのように選曲しますか?
私は生徒本人の希望をとても大切にしています。まず生徒に、どれが弾きたいか?どの曲により魅力を感じるか?を聞きます。その後、曲の組合せ等を考えながら生徒と相談して決めています。
先生ご自身はどのようにコンペ課題曲や指導について学ばれていらっしゃいますでしょうか。
まず「自分自身が各課題曲を魅力的に弾くこと」を目標に、A2級からF級までの課題曲を練習・研究します。ほかには、課題曲説明会や公開レッスンを聴講したりして勉強しています。
柳岡 奈緒美先生(神奈川県横浜市)
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  • レッスン見学日:2018年04月15日 13:00~
  • 横浜赤レンガステーション代表
  • 2017年度コンペティション指導歴:

    A2級入賞者記念コンサート出演。A2級、A1級、B級、連弾初級Aにて本選優勝賞、A1級、連弾初級A、初級Cにて本選奨励賞受賞

コンペティションの時期に課題曲以外のレッスンもしますか?
通常のレッスンはなるべくハノン エチュードは続けています。
課題曲はどのように選曲しますか?
コンペに参加される生徒さんと保護者も一緒に集まります。みなさんで楽譜をみたりCD 私の演奏を聴きながら選曲します。その日に一応の予選の日程 地区も話し合います。
先生ご自身はどのようにコンペ課題曲や指導について学ばれていらっしゃいますでしょうか。
3月1 、2日の課題曲説明会に参加します。私はこのセミナーでそれぞれの生徒さんのこれからの成長に役立つであろう課題を考えながら参加させていただいています。そして教室に持ち帰り、再度考え直します。横浜に越してきて2年目ですが、新しい環境での新しい生徒さんたちとの出会いもまた、多くの学びを与えてくれました。
桑原 昌子先生(京都府舞鶴市)
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  • レッスン見学日:2018年04月29日 13:00~
  • 2017年度コンペティション指導歴:

    A2級入賞者記念コンサート出演。A1級、連弾初級A、中級Aにて本選優勝賞、A2級、B級にて本選奨励賞受賞

コンペ時期に課題曲以外にも レッスンをしますか?
ハノン、チェルニー などの練習曲、バッハ(インヴェンションとシンフォニア や 平均律 など)のレッスンも併行して行っています。
課題曲はどのように選曲しますか?
まずは近現代曲から選曲し、それに合わせて曲想の違う他の曲を組み合わせて行きます。なるべく多くの曲の譜読みをさせて自分で選ばせます。D級以上では曲も長いので、実力に応じた曲を生徒と相談しながら決めていきます。
先生ご自身はどのようにコンペ課題曲や指導について学ばれていらっしゃいますでしょうか。
自分で弾いてみます。そして実際にその曲をレッスンする事により、より深く理解出来ると思います。また課題曲セミナーや個人レッスンはいろんなヒントを頂ける学びの場だと思いますので、機会を逃さず、積極的に参加しようと心掛けています。
ピアノ指導者向け ピティナ・ピアノコンペティション課題曲筆記試験で力試し!
指導者ライセンス筆記試験/ingプログラム Writing

今年もコンペティション課題曲を題材にした全国一斉筆記試験を開催いたします!指導者ライセンスの単位としても、合否なしの試験としてもご活用いただけますので、自分の理解度をはかり、深めるために挑戦しませんか?
筆記試験対策講座を今回は2回シリーズで開催いたします。
指導者自身が課題曲を通じて学びを深めるためのコンテンツとして、是非ご活用ください。

2018年度 春期筆記試験開催決定!
日程
2018年5月11日(金)もしくは4月29日(日・祝)
10:00-11:30
  • 地区により異なります
申込締切日
2018年4月9日(月)
試験内容
コンペティション課題曲を題材とした総合問題
出題曲詳細について
2018年3月9日(金)ピティナWebにて発表
対策勉強会
講師:秋山徹也先生

筆記試験ってなにを勉強すればいいの? 勉強法、解答のポイントとは?多くの方より頂いているご質問を秋山徹也先生に講座形式でお話頂きます。

基礎編
2018年37日(水)10:00-12:00

筆記試験に必要な音楽知識、アナリーゼの基礎の部分を解説いただきます。アナリーゼ楽譜読み解き方、演奏への活かし方も分かりやすくお話しいただけますので、どなたでもご参加ください。
※筆記試験出題曲についての解説はございません。ご了承ください。

実践編
2018年410日(火)10:00-12:00

2018年度春期筆記試験課題曲(3月9日(金)Webにて発表予定)を徹底解説! 試験に向けて、どのような勉強をしていくべきなのかお話しいただきます。講座×筆記試験で学習効果が倍増します!

  • 当日楽譜のコピーを配布する予定はございません。ご了承ください。
詳細・お申込みはこちら
  • YouTube Live!にて講座の様子を無料配信する予定です。

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