2017年度春期 コンペ筆記試験問題公開

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2017/05/31
コンペ課題曲筆記試験
2017年度春期

2017年4月29日(土)、5月11日(木)実施


試験問題
1
リスニング問題[12点]
1. 課題曲:近現代 久米詔子◎夏祭り[2点×3]
次に流す演奏には、明らかな音の間違いが3箇所あります。それぞれの間違いについて、小節数、右手・左手(声部)等を明確にした上で、指摘しなさい。
  • 楽譜省略
解答
  • 第11小節目の右手 和音の下声がGでなくAの音になっている。
  • 第16小節目の左手 和音の上声がFでなくAの音になっている。
  • 第27小節目の左手 C-Gの和音がA-Eになっている。
〈平均点〉2.88点
2.課題曲:クラシック ベートーヴェン◎ドイツのおどり[6点]
演奏を聴き、音の間違い3箇所を含めた演奏全体の問題点を指摘し、どのように指導すればよいか記述しなさい。
  • 楽譜省略
解答例

全体的に左手の音量が強すぎて踊りの雰囲気が損なわれているので、左右のバランスと拍子感を大切に。
アウフタクトは相手の手をとって、優雅な踊りに誘うように。
第7小節目の左手2、3拍目の和音 D-FがH-Dになっていること、第10小節目の左手が1オクターヴ高く演奏されていること、第13小節目の右手の#が抜けていることにも注意しましょう。

〈平均点〉4.73点
2
課題曲:バロック J.S.バッハ◎インヴェンション 第7番[30点]
アナリーゼ
次の①~⑮にあてはまる言葉を選択し、記号で答えなさい。なお、④、⑧、⑩、⑫については、当てはまる調性を記入しなさい。[2点×15問]
※楽譜省略
この曲は、第1、2小節目が主題・提示的な部分になっています。なかでも第1小節目3拍目拍頭までの上声が主要な主題です。この音型は第1小節目の後半で下声(1オクターヴ下)に引き継がれ、第2小節目にてそれぞれ5度上で応唱するような形で繰り返されます。①(
  • a)曲を必要以上に動かさず、主題がしっかり対話するように
  • b)上声部をしっかりと演奏し、全体としてはクライマックスになるように
演奏するとよいでしょう。第3小節目では主要主題が上声と下声で対話を繰り返し、第4小節目では2度下で反復しています。このような場面では、(②
  • a)反復ごとの変化を大切にし、全体としては経過的に演奏する
  • b)曲のクライマックスになるようにしっかりと演奏する
とよいでしょう。  第5、6小節目は16分音符の部分が音階風に並びをかえ1拍単位で対話をする形になり、さらに第5小節目は2、4拍目で左右の16分音符の動きが重なります。第6小節目の最後~7小節目冒頭で(③
  • a)属調
  • b)平行調
(④      調)(⑤
  • a)半終止
  • b)全終止
しています。

第7小節目から第2部分となります。第7小節目では1小節目の主要主題が1小節目と同じ形で現れますが、下声冒頭が(⑥
  • a)転回
  • b)縮節
して始まり、第8小節目でその主要主題が変化・連用されて上行しているのが特徴です。第9小節目で(④調)(⑦
  • a)属調
  • b)下属調
にあたる(⑧      調)に転調しています。第7小節目では再度主題を出しつつ、第9小節目3拍目に向かって(⑨
  • a)最初より穏やかに
  • b)最初より高揚感を持って
演奏するとよいでしょう。  第9小節目3拍目から10小節目の1、2拍目にかけては、(④調)で主題が呼応しています。第11小節目で(⑩      調)に転調し、第12小節目は5小節目と同様に1拍単位で呼応する形で展開してゆきます。第13小節目の3拍目冒頭で(⑩調)(⑪
  • a)変終止
  • b)全終止
します。調性感を大切にしつつ、しっかりとクライマックスを作りたいところです。
第13小節目の3拍目から第14小節目の2拍目までは、2拍単位のゼクエンツです。ここも(②)と同様の演奏が望まれます。2拍単位のゼクエンツは、続く第15小節目の1、2拍目では1拍単位に縮節され、動きがでます。
 第15小節目3拍目からの上声は主要主題が変化した形です。第17小節目まで(⑫      調)のⅤ度上で連用されています。ここでは、(⑬
  • a)下声のしっかりとした支えと上声部のパッセージを経過的に表現する演奏
  • b)次に起こる音楽に向かって高揚感・緊張感を増していく演奏
が望ましいでしょう。  第18小節目から第19小節目の2拍目までは、主要素材が変化した素材を用いて、2拍単位で2度ずつずれたゼクエンツが3回行われています。第20、21小節目は主要素材がいろいろに展開され、最大のクライマックスを迎える部分です。第22小節目の1拍目は(⑭
  • a)半終止
  • b)偽終止
です。緊張感ある表現がよいでしょう。最後の第23小節目は、ホ短調の(⑮
  • a)全終止
  • b)アーメン終止
で曲をしっかり閉じます。

解答
  解答 正答率
a. 曲を必要以上に動かさず、主題がしっかり対話するように 97.66%
a. 反復ごとの変化を大切にし、全体としては経過的に演奏する 99.22%
b. 平行調 97.66%
ト長調 96.09%
b. 全終止 90.63%
a. 転回 96.09%
a. 属調 96.88%
ニ長調 94.53%
b. 最初より高揚感を持って 87.5%
ロ短調 94.53%
b. 全終止 85.04%
ホ短調 92.19%
b. 次に起こる音楽に向かって高揚感・緊張感を増していく演奏 67.19%
b. 偽終止 96.88%
a. 全終止 95.31%
3
課題曲:クラシック クレメンティ◎ソナチネ Op.36-4 第1楽章[22点]
【A】アナリーゼ
(Ⅰ)次の①~⑯にあてはまる数字もしくは調性を記入しなさい。⑤、⑧、⑨については、正しい選択肢を選んで答えなさい。[1点×16]
※楽譜省略
この曲は、提示部・展開部・再現部の3部分から成るソナタ形式の楽章です。冒頭の第1主題は、淡々と低音が刻まれる前半4小節と、上下声部で対話風の動きがある後半4小節が対照的です。第1主題は第(①    )小節目から確保されており、前半はほとんど同じ形であるのに対し、後半は(②    )調への転調を伴いながら推移しています。第18小節目から始まる第2主題では、軽快なスタッカートを主体とした対話の要素が2小節単位で取り入れられていることが特徴です。対話がわかるような左右バランスで表現するとよいです。ただし、第(③    )小節目以降で第18小節の主題上声部が転回風になるなど、変化もみられます。繰り返しによる印象づけと、変化による音楽の違いの両方がわかるように表現するとよいでしょう。第(④    )小節目からの小結尾(コデッタ)では、第1主題第5、6小節目のバス音型を配して、第1主題も想起させつつ、常に上行する音階を配して提示部のクライマックスとしています。

第31小節目からは展開部です。第31~33小節は、(⑤
  • a)第1主題
  • b)第2主題
のリズムが(大きく見て)(⑥    )調のⅤ度上で2度ずつ3段階に上昇し、後の展開に少しずつ向かってゆくように始まります。第34小節目以降は、(⑦    )調のⅤ度とⅠ度が交替する和音上に配され一気に緊張感が高まります。その際、下声は(⑧
  • a)第1主題
  • b)第2主題
のリズム、上声は(⑨
  • a)第1主題
  • b)第2主題
のリズムの最初の部分をもとにした素材を組み合わせられています。第38、39小節目は(⑩    )調の響き、第40、41小節目は(⑪    )調の響きとなっています。この2小節単位のゼクエンツによって少し変化ある表現があるとよいです。第42小節目ではバスを再び同音連打の連用に戻し、右手も同音形の連用にしたうえで、同時に主調のドッペルドミナント(⑫    )調の属和音)に転調しています。短調の悲しい雰囲気から一転して、一番音域が高くなる第(⑬    )小節目のクライマックスへ一気に向かう感じを表現するとよいでしょう。

第48小節目からは再現部です。曲頭の提示部と同じ形で始まりますが、提示部の第(①)小節目からの4小節間に相当する確保部分が省略され、第52小節目で(⑭    )調、第55小節目で(⑮    )調に立ち寄っています。この部分での回想的な雰囲気やかげのある雰囲気は、第56、57小節目の提示部になかった新たな動きで一気に吹き飛ばされます。もとの曲調に戻すような表現が考えられるでしょう。
第59小節目からは第2主題が再現されます。最初の2小節は提示部とほぼ同様の形が(⑯    )調で再現されますが、その後は転回風の動きやオクターヴ違いでの再現など変化を伴いながら進行してゆきます。第69小節からの結尾(コーダ)では、提示部の最後の部分と対照的な動きを見せている点も面白いです。解決に際して「転回」が上手に利用されているため、これらの変化を表現しわけることがポイントになります。

解答
  解答 正答率
9小節目 64.84%
ハ長調 92.19%
23小節目 96.88%
28小節目 97.66%
b. 第2主題 99.22%
ヘ長調 87.5%
ニ短調 90.63%
a. 第1主題 96.09%
b. 第2主題 94.53%
ト短調 94.53%
ヘ長調 73.44%
ハ長調 80.47%
45小節目 89.06%
変ロ長調 69.53%
ト短調 95.31%
ヘ長調 95.31%
(Ⅱ)下線部について、提示部の最後の部分とどのような点において対照的であるか述べなさい。[3点]
解答
音階の向きが提示部と逆の下行音形になっている点。 もしくは  提示部では低音側が主音の保続になっているのに対し、再現部の第69、70小節目ではI度の和音(第5音省略)で奏されている点。
〈平均点〉2.94点
【B】運指問題[3点]
54、55小節目の指使いとして、最も適切なものを次のア~ウから1つ選び、記号で答えなさい。[3点]
解答
〈正答率〉100%
4
課題曲:ロマン レビコフ◎メランコリックワルツ[24点]
【A】次の①~⑩にあてはまるものを、下記の語群より選び記号で答えなさい。ただし、同じ記号を何度選んでも構いません。和音の転回形は考慮せず、非和声音は除外して考えるものとします。[2点×10]
※楽譜省略
この曲の形式は(①    )で、冒頭の調性は(②    )です。第2小節目の和音は(②)(③    )です。第4小節目は(②)(④    )の和音になっており、上声のイ音は(⑤    )にあたります。第8小節3拍目は(②)(⑥    )終止で、第15~16小節目は(②)(⑦    )終止です。
第17小節目からは(⑧    )に転調します。曲調を変化させるとよいでしょう。第23小節3拍目~第24小節1拍目は(⑧)(⑨    )終止です。
第25小節目からは第17小節目と同じメロディーが1オクターヴ上で奏されます。前者と比較して、後者をより(⑩    )に演奏すると効果的でしょう。
選択語群
  • ア.複合三部形式
  • イ.繋留音
  • ウ.Ⅱ7
  • エ.嬰へ短調
  • オ.三部形式
  • カ.快活
  • キ.偽
  • ク.ロ短調
  • ケ.Ⅴ9
  • コ.ト短調
  • サ.ニ長調
  • シ.全
  • ス.イ長調
  • セ.変
  • ソ.倚音
  • タ.半
  • チ.Ⅴ7
  • ツ.刺繍音
  • テ.繊細
  • ト.ロンド形式
解答
  解答 正答率
オ. 三部形式  92.97%
ク. ロ短調  98.44%
チ. Ⅴ7  82.03%
ウ. Ⅱ7 80.47%
ソ. 倚音 92.97%
タ. 半(終止) 77.34%
シ. 全(終止) 94.53%
サ. ニ長調 95.31%
シ. 全(終止) 86.72%
テ. 繊細 77.34%
【B】第33小節目からの演奏方法について、冒頭部分との違いに着目しつつ提案しなさい[2点]
解答
主に偶数小節で内声が重ねられているため、対話風に演奏するとよい。
〈平均点〉1.8点
【C】第18~20小節目のペダル記号として最も適切なものをア~ウから選びなさい。[2点]
解答
〈正答率〉92.19%
5
課題曲:ロマン ショパン◎ワルツ 第9番 Op.69-1
ショパン◎ワルツ 第9番 Op.69-1について、次の問いに答えなさい。[2点×6]
①この曲が作曲された年をア~エより選びなさい。
  • ア.1820年
  • イ.1825年
  • ウ.1830年
  • エ.1835年
②この曲が作曲された当時ショパンの主な活動拠点はどこであったか、ア~エより選びなさい。
  • ア.ワルシャワ 
  • イ.ウィーン
  • ウ.ロンドン
  • エ.パリ
③この曲より後に作曲されたショパンの作品をア~エより1つ選びなさい。
  • ア.前奏曲 第15番「雨だれ」
  • イ.エチュード Op.10-12「革命」
  • ウ.ノクターン Op. 9-2
  • エ.ピアノ協奏曲 第1番
④ショパンのワルツは全部で何曲あるか、ア~エより選びなさい。
  • ア.11曲
  • イ.15曲
  • ウ.19曲
  • エ.23曲
⑤この曲が通称的に呼ばれているものは次のうちどれか、ア~エより選びなさい。
  • ア.小犬
  • イ.告別
  • ウ.幻想
  • エ.葬送
⑥この曲は誰に献呈された作品か、ア~エより選びなさい。
  • ア.マリア・ヴォドジンスカ
  • イ.ジョルジュ・サンド
  • ウ.コンスタンツィヤ・グワトコフスカ
  • エ.ルドヴィカ・ショパン
解答
  解答 正答率
エ. 1835年 70.31%
エ. パリ 75%
ア. 前奏曲 第15番 「雨だれ」 63.28%
ウ. 19曲 36.72%
イ. 告別 92.19%
ア. マリア・ヴォドジンスカ 76.56%

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