住田智子先生レッスン見学レポート(2015年5月17日開催)

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2015/05/26
レッスン見学レポート
住田智子先生(2015年5月17日開催)

5月17日(日)、島根県江津市にお住まいの住田智子先生のお宅でレッスン見学が開催されました。

20帖ほどの広いレッスン室に大き目のグランド(C7)が設置され、壁面や天井に防音と残響の設計が施された素敵なレッスン室です。「耳を鍛える」ことを重要視されていることがレッスン環境からも十分感じられました。

今回の企画でのレッスンは、2時間で5枠。
時節柄、コンペティションに向けての生徒さん4名(A2級、B級、C級、D級)と、レッスンを始められまだ1年弱の、普段使いのテキストの生徒さん1名です。

住田先生のレッスンは、どの生徒さんのレッスンでも一貫して"問いかけ"をし、生徒さん自身に考えさせること、自分の言葉で語らせることを大切にされていました。
曲のイメージ、調性、拍子、指使い、それから曲をどのように感じたか、何が問題か、それらをまるで生徒さんの知的好奇心をくすぐるかのように問いかけます。ただ質問されるだけではなく、先生からは、考察の材料となる情報やアイディアも満載!

J.S.バッハ「メヌエット ト長調 BWV.116」のレッスンでは、
「これはどんな曲?」
「おどりの曲っぽく聴こえた?」
「どうしておどりの曲っぽくなかったんだろう?」
と拍の取り方の問題点について生徒さん自身に気づかせ、その対策も生徒さんから導き出されていました。

テクニック的なことがうまくいかなかった場合も「どんな練習方法がいい?」と問いかけられます。ヒントを出しながら、でも答えは言わず、生徒さんの考えを待つ...。そんな、とことん見守り、生徒さんに寄り添う愛情豊かなレッスンを、受講生の12名の先生方が静かに、でも熱意をもって見学されました。


レッスン見学では2時間のレッスンを見学した後、当日集まった先生方でピアノ指導や日頃の悩みなどについてのディスカッションタイムを設けています。

今回は、テーマを事前アンケートによりピックアップし、そのレジュメに沿って住田先生ご自身で進行され、テーマによっては受講者に意見を発表してもらうという場面もありました。

テーマは、下記5つのカテゴリーです。

  • ① コンクールに関して(選曲方法、本番前対策、高学年のコンペ挑戦)
  • ② 日頃のレッスンに関して(練習してこない生徒さん対策、指導方法など)
  • ③ 奏法に関して(指のコントロール、深い音を出すには...)
  • ④ アナリーゼに関して(アナリーゼのコツ、バロック曲のポイント)
  • ⑤ メンタルに関して(感じる心(耳)を育てるだめには...)

当日の内容を、少しだけご紹介します。

コンクールに関して
参加者より

どのようにコンクールの選曲をしたら生徒に一番いいのか、悩んでしまいます。

住田先生

私はよく弾ける子には各期から数曲渡し、生徒さんが気に入った曲をメインとし、その曲と調性・拍子・曲調など相性の良い曲、よい印象となる曲を組み合わせるようにしています。
レッスン前後の生徒同士の弾き合い会をする、バロックなどは途中から弾かせる、左手だけの暗譜、すごくゆっくり弾かせるなど、「本番舞い上がった対策」も大切にしています。
コンクールに参加しない生徒のモチベーションの上げ方については、他の易しいコンクールへの参加、学校での合唱の伴奏など他に輝ける場を設けています。発表会では差がつかないよう学年順で並べるのではなく「○○の広場」「○○の音楽」などテーマで分けてプログラムを組むようにしていますよ。

レッスンに関して
参加者より

レッスンで大切にされていることはどんなことですか。生徒への伝え方についても、アイディアをいただきたいです。

住田先生

親が忙しい生徒は、生徒本人だけで練習できるように自分で考える力をつけさせ、早く自立させるようにしています。そして日々のレッスンでは、伝えたいことを長々と話さず、大事なことを少しだけ言うようにしていますね。一度にたくさんのことを伝えても、頭に入らないのではないでしょうか。

奏法について
参加者より

生徒の音色を磨くために、ピアノ教師が出来ることはなんでしょうか。

住田先生

「耳を鍛える」ために、生徒さん自身で良い音を出したら即座に褒める!
呼吸、間、和音のバランスなど自分で考え工夫するような言葉がけを常に心がけています。

メンタル面に関して
住田先生

皆様に質問です!感じる心(耳)を育てるために、どのような取り組みをさせていらっしゃいますか?

岡野直美先生(広島市)

私は生徒さん数名をまとめて引率し演奏会へ連れていきます。曲の構成を"シーン"に例えてレッスンすることが多いので、オペラやミュージカルも聴かせ(見せ)、背景や暗転、幕が変わるのを実際に見せて感じさせています。
ミュージカルやオペラではテーマと人格が一致しているので、第一主題はこのキャラクター、第二主題はこのキャラクターなど例えやすいですね。

このほかにも、おすすめのテキストと併用教材、発表会のプログラムで工夫されていること、レッスンの始めと終わりの「ごあいさつ」のこと、親子関係などについて、終了時間の18時過ぎまで白熱したディスカッションがくり拡げられ、話題が途絶えることはありませんでした。

今回の住田智子先生のレッスン見学は、広島・島根・鳥取の3県にまたがって12名の指導者の方が参加されました。これぞまさに「交流」!お国訛りも交えながらノウハウやアイディアを共有し、また共感し合って大変充実した一日となりました。

レッスン見学では皆様に、「ワークノート」の記入をお願いしております。
当日の生徒さんの演奏について、またレッスンについて気づいたことをお書きください。
ワークノートは講師に提出後、講師のサインを入れてお返しいたします。
当日の参加者の声
重野 美樹先生
どのレッスンも、テンポよく、明るく、なおかつ内容の濃い盛りだくさんのレッスンでした。年齢や、レベルに関わらず、どの生徒さんにも妥協せず、本音で、軽快な島根弁?で、ポンポンと話される先生の言葉が可愛らしく、印象的で、今も耳に残っています(笑)。
レッスンでも、レッスン後のディスカッションでも、住田先生がとても細かく準備をされておられたので、スムーズに、なおかつ濃厚な時間が過ごせたんだなぁと感動しています。
奥村 志帆先生
コンクールも近いので、予選へ向けてのヒント探しにと思い見学を希望しました。
もちろん、それも勉強になりましたが、一番「!!」と思ったのは、コンクールを受けない導入の生徒さんのレッスンでした。
長くピアノを続けていくにも、コンクールを充実したチャレンジにすることにも、欠かせない練習。「自立した練習が出来るようになることが大切」と、先生は言い、そのヒントがたくさん散りばめられたレッスンでした。私もすぐにやってみたい、と思い、帰りに楽器店に直行しました(笑) 小さい子でも年頃の子でも、言い方は変わっても言うことに妥協はなく、楽しく、笑いのあるレッスンの中身は手加減なしで、生徒さんもしっかりそれに答え・・・本当に素敵なレッスンでした。 素敵なレッスンをされるのは素敵なピアノの先生ではなく、素敵な人。 人として、尊敬のできる方がピアノを教えてらっしゃる・・・という感じで、私もそんな大人になりたいと、つくづく思いました。
岡野直美先生
住田先生のレッスンを見学させていただき、とても充実した幸せな時間を過ごさせていただきました。レッスンでは、生徒さんの芯のある打鍵力、安定感のある素敵な演奏を聞かせていただきました。生徒さんは、先生の個々に合わせテンポの良いレッスンに、しっかりと集中してついていき、先生を心から信頼しているなと感じました。細かいテクニックや、表情の追求など要求は高い中、生徒さんには、優しく、楽しませる言葉がけも交えながら、クオリティは高く、かつ和やかなレッスンでした。 また、生徒さんと一緒に曲について考え、苦手な箇所を出来るまで一緒に練習するという、とことん生徒さんと向き合う先生のお姿に心を打たれました。愛情たっぷりの素晴らしいレッスンを見させていただき、心新たに頑張っていきたい!という活力を頂きました。本当にありがとうございました。
林けい子先生
素晴らしかったです! テンポよくレッスンをすすめられていると思いました。 リズム、読譜、記号、調性などすべて生徒さんにその都度質問されて、確認していらしたのが印象に残りました。
笠井礼子先生
生徒さんが、住田先生から、一生懸命学ぼうとされている姿に感動しました。先生が、曲のイメージが膨らむ問いかけをされ、生徒さんと一緒に曲を作り上げて行かれる楽しさが伝わり、レッスンの時間内に音の質が良くなり、とても勉強になりました。
盆子原千秋先生
日頃、情報交換、意見交換などの機会を持つことがないので、今回のレッスン見学は本当に貴重な時間でした。生徒と楽しく音楽の時間を過ごせるよう、日々のレッスンの内容を充実させていきたいと思いました。

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