【実施レポート】2014年指導者検定 東京春期地区

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2014/06/10

先日の6月7日(土)、8日(日)にピティナ本部事務局<東音>ホールにて指導者検定演奏実技および指導実技が行われました。

審査員は、小池純江(こいけすみえ)先生、土持恵理美(つちもちえりみ)先生、柳沢信芳(やなぎさわのぶよし)先生の3名。

演奏実技の初級・中級は4期、上級では4期に加え、エチュードが課題として加わります。レッスンの合間を縫ってこれらのプログラムを仕上げた先生方への尊敬の念を禁じ得ません。

柳沢信芳先生の講評 -初級・中級演奏実技-

【伝える演奏のために】

柳沢先生講評.JPG

 どのように自分の音作りをしたら良いか、というところが課題だったかと思います。求める音を出すためにどうすればよいか、そのためにテクニックが必要になります。また、聴いている人に伝わる演奏というのも大事ですね。音はあっているのだけれど、まったく伝わらない音楽もあれば、所々誤ったところもあるけれど、伝わる音楽もあります。活きた演奏にするには、ハーモニーの響かせ方やフレーズ感、音の厚みに気を付けながら表現をする必要があります。
 指導をする上でも、何をさして「上手に弾けたか」とするか、は大事です。1音の誤りもなく弾けたから「上手」なのか、伝わる演奏をしたから「上手」なのか。指導者自身が、音楽の何を生徒に伝えたいか、ということにつながると思います。


小池純江先生の講評 -上級演奏実技-

【理想の音を大事にしてください】

小池純江先生講評.JPG

 上級演奏実技にご参加のみなさんは、主張のある、説得力のある音楽でした。
 最近、公開レッスンの講座を受講しましたが、そのときの講師がおっしゃったのは、「モーツァルトを演奏するときには、モーツァルトのオペラをたくさん聞いて下さい。モーツァルトの音色は肉声。オペラからいろんなキャラクター、その声の質に合わせた演奏をしなければならない」というお話が印象的でした。「フィガロの結婚のオペラを参考にして、伯爵夫人、スザンナが・・・」と物語のストーリーの登場人物に合わせた音色で弾き分けられていて、恐らく、この音の響きは私は一生忘れないでしょう。それほど、音や音の響きは人の心に訴えかけます。

 いつも自分の音をよく聴くということ、楽器そのものの音は同じだけれど、センスの良い音をつくっていくのは感性と耳です。良い音楽をたくさん聞いて、自分の耳の中に残す。音に対するこだわりが大事かなと思います。この音を聴いたら、彼女の音楽だな、とわかるぐらい、こだわって頂きたいです。


【楽譜を見ることについて】

 楽譜はもちろん、置いても良いのですが、楽譜にくぎ付けになっているともったいないです。目と耳の場合、視覚の方が先にきてしまうので、自分の音が聴けなかったり、全体の音楽が作れなくなります。精神安定剤に置いておくのはいいですが、できるだけ暗譜の習慣をつけると良いと思います。そのためにも、ゆっくり練習することを心がけてみて下さい。ゆっくり練習すると自分の音をよく聴けます。暗譜にも役立ちます。音やフレージングもゆっくり練習することで見えてきます。


土持恵理美先生の講評 -指導実技-

【多くの引き出しを持ちましょう】

土持恵理美先生講評.JPG

 教えるときに、すべて五感を使って教えて頂きたいと思います。 指導者は楽譜を見ていて音だけで判断をしている場合もあると思いますが、できれば、楽譜から目を離して、その子がどういう弾き方をして、どういう姿勢で、どういうペダルの踏み方をしているか。そこまで見て頂きたいです。なぜこの子の音はかたいのかを考えるときに、たとえば、呼吸はどうか、とめていたら音もかたくなりますよね。その子その子によって、伝わり方も違います。1つのことを伝えようとしたときに、いろんな引き出しをもっておくがとても大事です。
 例えば、音が固い生徒に「手首がかたいからだよ」では伝わらなかった場合、ボールを用意して、ボールをつかせてみる。そういった子の場合、ボールをついているときも手が固くなっていて、うまくボールがつけません。そうしたら、ボールをうまくつけるように一緒にやってみます。うまくつけるようになったら、手首は柔らかくなっているので、鍵盤に戻って、「ボールをついているように弾いてみましょう」と言ってみます。それでもわからなければ、生徒の手首にゴム(髪止めに使うもの)をつけて、バウンドさせてみる。それで伝わる子もいます。その子に何を言ったら伝わるのかは生徒によって違います。1つのことを伝えようと思ったら、5?6つ引き出しを用意しておくと、どれか1つ伝わる可能性があります。

【言葉選びも大事です】

 指導実技は、初級・中級・上級で年齢が異なりますね。小さい子に難しい言葉を言っても伝わりません。自分が小学1年生になったつもりで話をしてみてください。同じ目線の言葉選びがとても大事です。表現や言葉は年齢によって、使い分ける必要があります。


講評後のディスカッションタイム

ディスカッション光景.JPG

指導者検定では、実施後に、審査員の先生方と直接交流頂ける、ディスカッションの時間を設けております。指導者検定を受検するまでに頑張ったこと、当日うまくいかなかったことを改善するためにはどのようにしたら良いか、また日頃のレッスンでこういったことに困っているなど、自身の抱える悩みを共有、解決する場となっております。終了後もレッスン等あり、お忙しいと存じますが、講評のお時間もご活用頂ければと思っております。


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